2013年7月13日 浜松瞑想会(於:クリエート浜松)における「クムダ・セヤドー御法話」7/13
◎ヴィパッサナ瞑想~ルーパ瞑想
次に、ヴィパッサナ瞑想の基本に入っていきます。ルーパ瞑想と、ナーマ瞑想をしていきます。これは、物質の現象を観る、心の現象を観るという、「内観(ヴィパサナ)」になります。
・ルーパ瞑想
ルーパ瞑想では、物質を観ますが、こに入っていくときには、先ほどの32個の部分を再び観ていきます。
最初は、32個の部分を観ても、32個それぞれの部分の塊としか見えませんが、物質の現象を観る瞑想(ルーパ瞑想)をしていくと、32個のどれを取っても、全ては小さな微粒子(カラーパ)から構成されて塊(部分)を形成していることがわかるようになります。
この段階になりますと、あらゆるものの全てを観ても、小さな微粒子しか見えなくなります。塊、構成というのが消え去って、全ては微粒子、微粒子として見えるようになります。自分の体を観ても、微粒子(カラーパ)で作られていることがみえます。
他人を観ても微粒子の集まりにしかみえません。そして、生き物だけでなく、物質そのものを観ても、全て微粒子で作られていることがわかります。
こうした細かい微粒子(カラーパ)が合わせって形を形成しているようにしか見えなくなります。どこを観ても微粒子にしか見えなくなります。
・微粒子(カラーパ)には性質がある
こうした微粒子を、さらに細かく観察しますと、一つ一つの微粒子の中には、どんな微粒子にも、性質があることがわかります。
・固さの性質。これは「地」の要素。
・接着、固める性質。これは「水」の要素。水というのは、流れるほかに、接着する力があります。汗や血液には流れる要素がありますが、このほかに接着、固める力(性質)があります。
・冷たい・温かい性質。これは「火」の要素。火には、冷たい、温かいといった力があります。
・動き、押す性質。これは「風」の要素。風には動いたり、押すといった力があります。
・色(いろ)
・臭い(香り)
・味
・栄養素
物質には基本的に8種類の要素が入っています。この8種類の要素全てが、一つ一つの小さな微粒子の中に含まれています。これは物質の究極の状態になります。
なお、物質には8種類の要素を含むことが基本ではありますが、ある物質には9種類、ある物質には10種類の要素が含まれています。
9種類の要素の場合は、「命根(みょうこん)」が含まれます。10種類の要素の場合は、「透明感(パサダ)」が含まれます。
このように、微粒子の中に含まれている要素を一つ一つ確認し、これができるようになるのが「ルーパ瞑想」の最後の段階になります。
・無常・苦・無我を観る
これができた後に、ヴィパッサナに切り替えて行うときには、その一つ一つの小さな微粒子の中に含まれている要素は、かなり速いスピードで変化していて、それは究極のスピードで、生じては滅し、生じては滅しを繰り返しています。
そういう「現れては滅して」を観て
「無常」を知ります。
微粒子の中に含まれている8種ないし9種類、10種類の要素は、「生じては滅し」「生じては滅し」を何度も繰り返しています。そうして、この「生じては滅し」を繰り返していることは、自分を苦しめていることが、わかるようになります。
こういう苦しみの状態を見て
「苦」であることを知ります。
そして、何度も何度も「生じては滅し」ということを繰り返している中には、固有の実体は存在していなく、ただ縁によって変化だけを続けていることがわかり、この状態では、自分の力で思うようにしたり、コントロールはできず、ここにおいて
「無我」であることを知ります。
この瞑想の方法は、物質に対して行うヴィパッサナ瞑想になります。つまり、無常・苦・無我といった物質の現象に関して観察する瞑想になります。これと同じように、心の現象の「無常・苦・無我」を観る瞑想を行ってまいります。
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2013年7月13日(日) クムダセヤドー浜松瞑想会
1.アーナパーナ・サティのやり方と妄想・眠気対策
2.アーナパーナ・サティはニミッタ(似相)による四十業処(サマタ)の一つ
3.瞑想を深め集中力を高めるためには「戒」を守る必要がある
4.五自在と五禅支と禅定力とについて
5.禅定について(第一禅~第四禅)
6.三十二身分瞑想~第四禅定の禅定力が無いと観ることができない
7.ヴィパッサナ瞑想~ルーパ瞑想【無常・苦・無我を観察】
8.ヴィパッサナ瞑想~ナーマ瞑想【心と心所を観察】
9.「戒(シーラ)」は瞑想の土台であり基礎
10.慚(hiri)愧(ottappa)は戒律を守る上で大切であり、悪趣に転生しない心
11.信(saddha)は浄心であり心が澄み明るくする
12.アーナパーナサティでは「自然な呼吸」に気付きを入れていく
13.「善心(クサラ)」で死ぬための準備~寝る前に「アナパナ瞑想」「慈悲の瞑想」の練習を