アーナパーナ・サティはニミッタ(似相)による四十業処(サマタ)の一つ

アーナパーナ・サティはニミッタ(似相)による四十業処(サマタ)の一つ

2013年7月13日 浜松瞑想会(於:クリエート浜松)における「クムダ・セヤドー御法話」2/13

2.質疑応答
Q1:意識をお腹ではなく、呼吸(上唇と鼻の先端)に置くのは何故なのでしょうか?またサティ(気付き)の力を強くしていくためには、瞑想をどのように行っていけばよいのでしょうか。


◎アーナパーナ・サティは呼吸に気付く四十の業処の一つ
今、皆さんに教えているのは「アーナパーナ・サティ」で、ブッダが説かれた瞑想で、呼吸の出入りを観る瞑想になります。呼吸は、お腹の中を出入りしているのではなく、鼻を通して出入りしています。

ですから、呼吸の出入りを観るためには、鼻の先をみないとみえなくなります。お腹のふくらみ縮みを観るのは、呼吸瞑想にはなりません。ブッダが推奨するサマタ瞑想には40種類がありますが、お腹の「ふくらむ・縮む」といった瞑想の仕方は、40種類の瞑想の中には含まれていません。


◎アーナパーナ・サティを行っているとニミッタが現れる
「アーナパーナ・サティ」を行っていると、ニミッタ(似相)という光が出てきます。けれども、ニミッタが安定するまで、呼吸に気付いていなければなりません。

このように、長く、継続して呼吸に気付いていられると、ニミッタが強くなって輝いてくるようになります。人によってニミッタの形は違ってきますが、月、太陽、星、棒状になって現れてきます。

ニミッタが強くなってきて、このような形に変わってきます。最初は、いろんな色や光が出てくることがあっても、集中力が高まってくると、ある形に変わってきて、鼻の先に止まるようになってきます。

20~30分、じっと止まるようになると、呼吸への気付きをやめて、ニミッタへを観て集中力(気付き)を保つようにします。そうすると、なおいっそう、集中力(気付き)が高まっていくようになります。

禅定は、パーリ語でジャーナといいますが、心を一カ所に留める力をいいます。空を飛んだりする超能力は別の話しになりますが、ニミッタに心を集中し、一体化が長くなり、1時間くらい継続できるようになると、集中力(気付きの力)は、「禅定の力」「禅定の集中力」となってきます。


◎ヴィパッサナではニミッタに集中しない
ですが、光(ニミッタ)を見てはいけない瞑想の場合もあります。それが「ヴィパッサナ瞑想」の段階にときにでてきます。サマタの瞑想の場合は、禅定を得られるために、ニミッタを使って集中力を深めていきます。

けれども、ヴィパッサナ瞑想の場合は光(ニミッタ)を見ていけない場合も出てきます。光(ニミッタ)に頼ってしまうと、楽しくなってしまうとかが起きて、瞑想が進まないことも起きるからです。

ですからヴィパッサナ瞑想の段階では、ニミッタに頼らないようにもなっていきます。サマタ瞑想の場合はニミッタを使って禅定に入るようにしていきます。




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2013年7月13日(日) クムダセヤドー浜松瞑想会
1.アーナパーナ・サティのやり方と妄想・眠気対策
2.アーナパーナ・サティはニミッタ(似相)による四十業処(サマタ)の一つ
3.瞑想を深め集中力を高めるためには「戒」を守る必要がある
4.五自在と五禅支と禅定力とについて
5.禅定について(第一禅~第四禅)
6.三十二身分瞑想~第四禅定の禅定力が無いと観ることができない
7.ヴィパッサナ瞑想~ルーパ瞑想【無常・苦・無我を観察】
8.ヴィパッサナ瞑想~ナーマ瞑想【心と心所を観察】
9.「戒(シーラ)」は瞑想の土台であり基礎
10.慚(hiri)愧(ottappa)は戒律を守る上で大切であり、悪趣に転生しない心
11.信(saddha)は浄心であり心が澄み明るくする
12.アーナパーナサティでは「自然な呼吸」に気付きを入れていく
13.「善心(クサラ)」で死ぬための準備~寝る前に「アナパナ瞑想」「慈悲の瞑想」の練習を








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