2013年7月13日 浜松瞑想会(於:クリエート浜松)における「クムダ・セヤドー御法話」10/13
◎戒律を守る上で大切な「慚(ざん):hiri」と「愧(き):ottappa」
セヤドーが日本に来て7年くらいになります。毎年、夏に、こうして指導していますが、ミャンマーのサンガで修行している日本人もいます。
その中で、ヴィパッサナという最終段階まで進んでいる方は、4~5人くらいしか見たことがありません。
ですので、世間の中でもそうですが、価値あるものを得るとか、成功するためには、相当な努力をしなければ成しとけることはできません。
これと同じように、仏道においても、価値あるものを得るためには、日々瞑想を行い、相当な努力をしなければ、達成することはできません。
簡単に得ることはできません。瞑想するたびに、寝ていたり、妄想していてはいけませんが、日々精進することで、道は開けてきます。
そうして、まずは戒律を守ることが大切です。
戒律で大切なことは「ヒリhiri」と「オタパottappa」です。
◎ヒリ(hiri)とは「慚(ざん)」・・・悪いことするのが「恥ずかしい」とする気持ち。
◎オタパ(ottappa)とは「愧(き)」・・・悪いことするのが「恐ろしい」とする気持ち。
まずは「慚愧(ざんき)」の二つを心得てください。「慚愧」が無いと、戒律を守ることができませんし、戒律を破ってしまうことが多くなります。
悪いことをするのは「恥ずかしい」「怖い」という気持ちが無いと、戒律を守ることができません。「慚・愧」の心は、とたも大切な働きをする「心」になります。
◎慚愧の心があれば、悪趣に転生することは無い
ですので、皆さんが瞑想を始めて、瞑想がなかなか進まないと思っても落胆しないでください。
「慚愧」の心があれば、悪いことを犯すことはしませんので、来世は悪い所(悪趣:地獄、餓鬼、畜生、修羅)に行くことはなくなります。
この「慚愧」の心があれば、悪いことをしようとしてもできなくなります。仮に、瞑想が進まなくても、「慚愧」だけはしっかりと守ってください。
戒律を守る上では、「慚愧」がもっとも重要になります。この二つが無ければ、戒律をいとも簡単に犯してしまいます。
サティ(気付き)の力を強くしていくためには、毎日、瞑想をしっかりと行わないと、気付きの力は高まってきません。やったり、やらなかったりですと、よくありません。アナパナを毎日毎日、1時間なら1時間行っていきます。
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2013年7月13日(日) クムダセヤドー浜松瞑想会
1.アーナパーナ・サティのやり方と妄想・眠気対策
2.アーナパーナ・サティはニミッタ(似相)による四十業処(サマタ)の一つ
3.瞑想を深め集中力を高めるためには「戒」を守る必要がある
4.五自在と五禅支と禅定力とについて
5.禅定について(第一禅~第四禅)
6.三十二身分瞑想~第四禅定の禅定力が無いと観ることができない
7.ヴィパッサナ瞑想~ルーパ瞑想【無常・苦・無我を観察】
8.ヴィパッサナ瞑想~ナーマ瞑想【心と心所を観察】
9.「戒(シーラ)」は瞑想の土台であり基礎
10.慚(hiri)愧(ottappa)は戒律を守る上で大切であり、悪趣に転生しない心
11.信(saddha)は浄心であり心が澄み明るくする
12.アーナパーナサティでは「自然な呼吸」に気付きを入れていく
13.「善心(クサラ)」で死ぬための準備~寝る前に「アナパナ瞑想」「慈悲の瞑想」の練習を